(2)Neck(ネック)
アコギ(アコースティックギター)の音は、弦の振動をブリッジとナットを介してボディとネックを震わせることで生まれます。ボディ鳴りが大きいので、その材質と構造が決定的に重要な役割をはたしています。
これに対しエレキギターでは、PU(ピックアップ)によって音を増幅するので、ボディの役割は二次的なものになります。つまり、エレキギターをアンプにつないで掻き鳴らしたとき、一番最初は弦振動だけがPUによって音に電気変換されるわけです。ただしほぼ同時に、その弦がボディとネックを共振させているので、その振動が弦にフィードバックされます。言い換えると、共振の影響を受けた弦振動も電気変換されます。その弦振動は、同時に再びボディとネックに伝わりそれが再び弦振動にフィードバックされます。こういうループの中で生まれる弦振動をPUが伝えて音が作り出されています。
このとき、とくに空洞部を持たないソリッドボディに場合、ボディは当然ながら盛大に振動することはできません。むしろ非常に限定的に振動していると言えます。これに対してネックはアコギとほとんど同じ構造ですから、ナットを介してアコギ同様に振動します。エレキギターでは、ソリッドボディでなくとも、ボディと比べてネックの方がはるかに質量が小さいので、ネックの鳴り方がギターの出音にとても大きな影響を与えるわけです。「エレキはネックの鳴りが重要」と言われるゆえんです。
ところで、ネックにもいろいろなプロフィール(profile;形状)があることはご存知だと思います。ネックは、使用される木材だけでなくその形状によって、握り心地と演奏のしやすさはもちろんのこと出音に微妙な違いが出てきます。できるだけ多くのネックに触れて、演奏のしやすさと音の好みの間でベストバランスのものを選んでください。
また、スケール(scale;弦長)によってネックの長さが変わることがあります。ご存知の方も多いと思いますが、スケールとはナットとブリッジの間の長さのことで、スケールが長くなると弦のテンション(tension;張力)が強まるので、音の張りというかパワー感がやや増大します。そのぶん弦を押さえる力も増えることになり、ベンディング(bending;チョーキング)などで余計に負担がかかります。
下図は一般的なネック形状と呼称を示したものです。
下のように、あえてやや変形させたものもあります。
下の写真はフェンダーとギブソンタイプの形状パターンです。